パンデミック後のスターバックス体験

カスタマーエクスペリエンスのデザインリサーチとUXデザイン

UX Design
Time frame: 14 weeks
Team members: Jorge Martínez Arana, Nigencia James, Smrti Ganesan
Role: Design Researcher, Experience Designer
Skills: User Research, Analysis & Synthesis, Scenario, Journey Map, Wireframe, Prototyping, UX Design
How Might We

どうすればポストパンデミック時代に、デジタルの効率化を追求しながら、新たな顧客ロイヤリティを獲得することができるだろうか。

Summary

Challenge

パンデミック後のライフスタイル変化に対応したスターバックス体験が必要

パンデミック以前、スターバックスは、自宅やオフィスから離れた場所で人々が集まり、時間を過ごす「サードプレイス」として知られていました。パンデミックの間、人々は屋内にとどまり、他者との交流から遠ざかっていました。スターバックスもデジタルチャネルに重点を移し、アプリ利用を推進しました。パンデミック後、以前の生活が戻るにつれ、ユーザーは対面でもアプリを通しても、かつてのような顧客サービスを求めるようになりました。私たちは、スターバックス体験に関する現状の問題を理解し、新しい顧客ニーズに対応する機会を探りました。

Solution

01. Digital – 顧客サービスを重視したアプリ体験と、ユーザーの目的に沿ったパーソナライゼーション

バリスタの情報を伝えることで、顧客ロイヤルティや、ユーザーと店舗の交流を向上させます。またユーザーに合わせたメニューなどカスタマーエクスペリエンスを向上させます。

02. Physical – サードプレイスの価値を再度見直し、滞在客の快適性を向上させる

パンデミック後のサードプレイスの機会に着目し、コワーキングカフェ店舗や他業種との協業など、ユーザーニーズに応じた新しい店舗体験を創出する。

Research

デジタル及び店舗サービスのデザインリサーチ

スターバックスのサービスに関する一次調査および二次調査を行いました。デスクリサーチから、アプリのヒューリスティック評価、インタビュー、店頭観察、アンケート調査まで、さまざまな調査を行いました。

リサーチゴール
  • スターバックスを利用するユーザーの動機を理解する
  • アプリや店舗でのユーザーの行動を把握する
  • スターバックスのカスタマーエクスペリエンスの問題点を評価する

01. 二次調査

まず、スターバックスの市場での位置づけ、ユーザー、競合他社、商品などを把握するためにデスクリサーチを行いました。

02. ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストを行い、ユーザーのアプリの利用方法を観察し、インタビューをして、ユーザーにとって使いにくい点を調査しました。

トップ画面のコンテンツが、ユーザーの目的に沿っていない

トップ画面にリワード情報やバナーがありますが、まずは注文をしたいです。

メニューがわかりにくい

“メニューが見づらい。もっとシンプルにした方がいい。”

不慣れなユーザーへの配慮が足りない

“トップ画面の「店舗でスキャン」ボタンが、初めて使うのでよく分からない” “リワードとは何ですか?”

03. デプスインタビュー、ホームインタビュー、カードソーティング、アンケート

デプスインタビュー、自宅訪問、カードソーティングなどを通じて、ユーザーのコーヒー習慣、デジタルとリアルのスターバックス体験、スターバックスに対する印象などを調査しました。

お客様の多くは、コーヒーをピックアップする効率を求めていますが、仕事やくつろぎの場を求めている方も多いようです

“一日中家の中で仕事をしているので、リフレッシュするためにカフェ行くことがあります。だから外に出て、どこか行く場所が必要なのです。”

“長く滞在して仕事をしていても、罪悪感のない場所を探しています。”

スターバックスへ行く目的はなんですか?
価格に敏感なユーザーもいます

“アプリにお金を追加するとき、最低額が10ドルで、より少ない金額を追加することができない。”

“以前はアプリで注文していたが、お金を使いすぎる傾向があるので使うのをやめた”

スターバックスは有名ですが、特別ではありません

“ただコーヒーをピックアップするための手段です。”

“正直スターバックスは値段が高い、コーヒーの味も平均的です。”

ユーザーエクスペリエンスに関する不満

“人が混んでいることがあった。ちょっととても乱雑な感じでした。時々、音楽がうるさい。場所によっては音が大きすぎます。”

“ポイントに縛られたくないので、アプリは使っていません。”

04. 店舗観察調査

実際の店舗を観察し、ユーザーの店頭での体験やスタッフのオペレーションを調査しました。

Analysis and Synthesis

調査結果をフレームワークで分析し、インサイトを抽出しました。

競合他社と類似

スターバックスはパンデミック時、アプリやテイクアウトの利用を加速させました。効率化を重視し、接客の機会が減ることで、競合との差別化で弱まる可能性があります。

2×2 マトリクス
効率化が新たな障壁を生む

スターバックスは、単にコーヒーを買いに行く場所、仕事をする場所として利用するユーザーも多い。サービスやブランドは洗練されているが、サービスの複雑さや効率重視の姿勢は、顧客体験の障壁になることもあります。

アフィニティダイアグラム
カスタマージャーニーマップ

Key Findings

デジタルによる断絶

アプリで先に注文する体験は、十分なサービスが受けられないと感じるお客様もいます。彼らはスターバックスに顧客サービスや店舗での接客も期待します。

“コーヒーを受け取りに店に入ってきたときに、今日の調子はどうですかと聞かれるのが好きです。でも、いつもあるわけではないので、言われた時は覚えています。”

“トップ画面にリワードやバナーがあるが、まず注文をしたい。”

“カスタマイズ時の価格変動がよくわからない”

デジタル負荷とホスピタリティの不足

モバイル注文の増加により店舗スタッフの負担が増えます。注文の遅れや人手不足を招き、店頭でのサービスがおろそかになることもあります。

“誰も並んでいないのにお客を待たせて、バリスタがとても申し訳なさそうにしていたが、カウンターの発券機が次々と注文を出力しているのが見えた。”

“店内の音楽がうるさくて気になる。テーブルも汚い。”

曖昧な差別化

パンデミックの際、スターバックスは他のカフェと同様にデジタルチャネルを拡大しました。マクドナルドやダンキンドーナツなども、モバイル注文やポイント制度を提供しています。ユーザーがコーヒーを飲むだけなら、スターバックスは他の店舗と変わりないため、差別化が弱まる恐れがあります。

“スターバックスのブランドにはあまり興味がない。ただ便利なだけです。”

スターバックスは、「特別な」サードプレイスではないかもしれません

ユーザーは、コーヒーを買うだけでなく、リフレッシュの場、たまり場、仕事場として利用することが多い。家や仕事以外の多様な使い方が、パンデミック以前のサードプレイスの価値でした。しかし、テイクアウトに軸足を移すと、店内での体験が薄れてしまいます。スターバックスは、もはや特別なサードプレイスではないかもしれません。

“スターバックスは平均レベルのコーヒーチェーン店です”

“スターバックスをよく利用するのは、ただすぐそこにあるからです。”

Solution

発見したインサイトをもとに、デジタルと店舗両方の体験の改善を提案しました。

  • どうしたらデジタル体験に人間的な接客を持ち込むことが出来るだろうか?
  • どうしたら多様なお客様の店舗での体験をサポート出来るだろうか?

01. Digital Experience
顧客と店の交流を強化し、デジタルホスピタリティを向上させる

• 注文されたドリンクを作るバリスタの名前と写真を表示することで、ユーザーと店舗のつながりを増やし、スタッフの責任感を向上させます。

• 各ユーザーのよく注文する商品や関連するおすすめ商品を、トップページの上部に設置し、すぐに購入できるようにします。多くのユーザーは、いつも同じものを注文する傾向があります。

• 注文追跡機能を追加して、準備が整ったことを知らせる。

ユーザーシナリオ

02. Physical Experience
サードプレイスを再度見直し、滞在客の快適性を向上させる

• パンデミック後のライフスタイルの変化に対応し、リモートワーカーがより快適に働けるよう、オフィスリソースを備えたコワーキングカフェスペースを提供する。

• 図書館、公民館、書店、公園などと提携し、エンターテイメントや集いの場と融合した、長居できるカフェスペースを提供する店舗を増やす。

Prototyping

このソリューションを検証するために、デジタル体験のプロトタイプを作成しました。

タスクフロー
ワイヤーフレーム
UI スクリーン
特徴

Next Step

スタッフへのデプスインタビュー調査

スターバックスの従業員の作業プロセスや経験に関する洞察を調べ、顧客中心の体験を向上させるための従業員オペレーションの検討をさらに進める。

アプリのプロトタイプの詳細な検証

真のロイヤルティを獲得するために、ユーザーのアプリ体験をさらに改善する。

店舗エクスペリエンスのプロトタイプ開発

潜在的なターゲットグループの近くに、オフィスリソースを備えたコワーキングカフェスペースを設置してテストする。その他のエンターテインメント施設と提携したパイロット店舗の導入を促進する。